めちゃくちゃ重要、お母さんの「情緒の安定」
こんにちは。
今日お話しするのはタイトルの通り「情緒の安定」です。保育士資格取得のために勉強した際、とてもよく出てきた言葉です。この言葉、聞いたただけでは「そんなの、当たり前じゃん」とサラっと流してしまいがちですが、なにも「子供」だけではなくて子育て中の「お母さん」にとっても、とても重要な意味を持つ言葉なのです。
「情緒の安定」理想と現実
保育所保育指針での「情緒の安定」とは
子供の情緒の安定と言うと、「穏やかで、落ち着いていて、不安がなくて、機嫌も良くて」などのイメージが思い浮かぶと思うのですが、私が保育士資格を取得する際に学習した内容には、
イ.情緒の安定
ねらい
① 一人一人の子どもが、安定感を持って過ごせるようにする。
② 一人一人の子どもが、自分の気持ちを安心して表すことができるようにする。
③ 一人一人の子どもが、周囲から主体として受け止められ、主体として育ち、自分を肯定する気持ちが育まれていくようにする。
④ 一人一人の子どもの心身の疲れが癒されるようにする。
出典:保育所保育指針「第1章 総則」より引用
とあり、本当にどれも理想的で達成したい目標なのです。
こちらはあくまでも保育所が拠るべき保育の基本的事項という位置付けのものなのですが、家庭でも子供と一緒に過ごす際に当てはまる部分があると思います。
お母さんのコンディションはめちゃくちゃ大切
しかし、これはそもそも、保護者側のフィジカルとメンタルの両方が健全で正常モードでなければ、このような目標を達成するための環境や雰囲気を整えてあげることはとても難しいと感じます。
人間誰しも24時間元気でいられないし、休息が必要です。体調が優れない時もあるでしょうし、子供との時間が少し辛く感じることも当然あります。自分の時間が取れないことに加え、永遠と続く「ママ、ママ攻撃」は、いくら可愛い我が子に対しても正直ウンザリ( ;∀;)な時もありますよね。
子供の情緒の安定に必要なもの
- 眠くない
- お腹も満たされている
- 慣れた人、慣れた環境、不安がない
などが必須条件として挙げられますが、だとすると
お母さんの情緒の安定に必要なもの
- 眠くない
- お腹の具合もいい感じ
- タスクが完了している
- 重大な不安要素がない
- プラスαやりたい事ができている(自分の時間)
かな、と私は思っています。
子供のコンディションを整え甘えやグズりに愛情をもって応えるためには、お母さんのコンディションが整えられている必要があるのです。もしそうでない場合に無理を続けてしまうと、いつか爆発したり、気分が沈んで良くない方向に向かいかねません。
しかも、子供と自分の「タイミング」が違いすぎてめちゃくちゃストレスも溜まりまくりです。
- 子供が寝てる時に自分も寝ましょう
- 子供に手がかからない時間に食事を済ませときましょう
- 子供が遊びに夢中な間に、自分のタスクを済ませましょう
なんて言ってる人がいますけれども、そんなん、どれも理想郷やで、haha〜( ;∀;)
子供が寝てる時、自分が眠いとは限りません、なにかしたくなってしまいます。子供が小さい頃なんて、ほんと温かい料理なんて食べられません。子供の後追いは名探偵並です。でも自分だって休みたいです。所詮、大人なんて子供が成長しただけの生き物です。
「たいへんなのは いまだけよ」っていうけれど でも「いま」なんとかしてほしいの
引用元:「あなたのことが だいすき」 文・絵: えがしら みちこ 原案: 西原 理恵子 出版社:KADOKAWA
というフレーズを見た時、「本当マジこれだよ…」と共感しました。(ちなみに、私は西原 理恵子さんの漫画や著書が好きなのでよく手にします。。。)
子供に「空気読め」なんていうのは無理な話なのです。
なので、子供という”宇宙人”を相手にするお母さんには、良好なコンディションからの「情緒の安定」が必須と言えるのです。
子供と一緒に過ごす時、大切すべきことは何か
教科書通りにいくことが目標?
私がこの「情緒の安定」の話をしようと思ったきっかけとなるエピソードを紹介します。保育園に勤めている時に0歳児クラスのお母さんから相談された時のお話しです。
そのお母さんが言うには、
「離乳食の移行が難しい、理由は子供がミルクを一番最初に欲しがるから。とりあえずミルクを先に飲ませないと泣きわめき、にっちもさっちも行かなってしまう、ミルクでお腹いっぱいになり離乳食の量を増やしたいと思ってもできずにこの状態が続いている、朝から泣かれて、食べてくれなくて、気が滅入りそう」
と言う内容でした。保育園に子供を預けるお母さんはほとんどの方が朝から出勤されますので、朝なんて目が回るほど忙しいのは容易に想像できます。そんな出勤前に子供と笑顔で過ごせないないことは、とても辛いことなのだと思いました。
通常、離乳食を始める時はとても少量から始めます。そして食べる順番もまずは離乳食、それから足りない分を母乳やミルクで補いましょう、と言うのが世間一般に言われている手順で、実際に育児本などにも多く書かれています。
その相談に対するアドバイスとして、キャリアの長い先輩保育士の先生が
「手順通りにいかなくても、お母さんと〇〇君が朝の一緒にいれる時間を穏やかに過ごすことが一番大切なこと」
とアドバイスしたのでした。その先生が「お母さんも」穏やかな気持ちでね、と言ったことが経験の浅い当時の私にはとても印象深いエピソードで、それから数年後、実際に自分が育児をするようになり度々訪れるピンチの度にこの言葉をよく思い出すのです。
親子が幸せで穏やかな時間を過ごすことが一番
子供は「お母さんの役をする人」を好いてくれているのではなくて、たった一人の自分の「お母さん」を慕ってくれているのではありませんか?
それを思えば、(幼児期は特に)母子ともに穏やかであたたかい雰囲気で過ごす時間を何より大切にすべきではないでしょうか。
育児中は子供のことだけに目を向けがちですが、「お母さんの情緒の安定」を保つことが「子供の情緒の安定」に繋がっていくことを忘れずに、まずはお母さん自身が今足りてないものは何か、どうしたいのか、どうしたら今よりも楽になるのかを意識し常に改善していくことを考えるべきなのです。